×

[PR]この広告は3ヶ月以上更新がないため表示されています。
ホームページを更新後24時間以内に表示されなくなります。


←戻る    次へ →

転換3

もう、土木工事も土作りも不要

実践1 実践2 実践3 実践4 実践5 転換 転換2 ■転換3 転換4 特別編(廃菌床) 内部品質

 「土作り=団粒構造の構築・生物進化系統樹の再構築」が終われば、土壌構造の保守と作物に要するエネルギーだけとなる。転換時のように土作りに必要なエネルギー(微生物の餌となる大量の炭素資材の投入)はもう要らない。
転換時に於ける土壌構造の経年変化
転換時における土壌構造の経年変化
 対象区(Koga)に対し、経年と共に耕土層が深くなる(次第に高畝状態になり2015年に乾燥防止のため崩した結果20cm)。2〜3層目の厚さは変わらず4層目はやや厚く、5層目は倍以上(1.1m以深は未確認)。全体として深くなる。 上部3層は黒(腐植)色を呈し、孔隙率が増加(4年目)。6年目では「海綿状構造」が高度に発達、大粒な団粒形成が見られる(過去の無施肥の実質50倍の変化速度)。
 [2012,2014,2015年、調査(筑波大 中塚) 2012年の画像はScientific Research Publishing(JIRCAS 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター 小田)より]

ここまで来れば・・・

 「もう大丈夫?」。画像(上)で分かることは表層から中間層(A層)では明確な階層化が進み、質的変化(腐植の蓄積と高度な団粒化)が明瞭です。
それに対し深部(B層)では量的変化が顕著で、有効土層が大幅に増大しています。中村、古賀、両農場とも転換後、1m/年の率で有効土層が深くなり(検土杖による簡易調査)、サトウキビの例では転換一作目で5.5〜8m(土壌断面の実測値)まで根が入っています。
 階層化:
土壌の基本的な層構造(B層までは土壌の発達に伴い更に細分化される)
  土壌層位一般的名称たんじゅん
自然林野  O層落葉などの堆積層。
通常の農耕地には無い。
(林床)永年作物(果樹やアスパラガス)では木質チップなど。
農耕地 A層土壌の最上部(表土)で表層物が埋没した層。耕土、作土転換期は高炭素資材を混和。高度に団粒化する。
B層A層からの溶脱物質の集積層。心土(下層土)ここ迄が実質的な耕土、作物や土層の厚さ次第では10m以上。
C層土壌構造はほとんど無い。基層(母材)*副記号: p=耕起による攪乱。w=色または構造の発達。
R層岩石層。岩盤

 有効土層:
作物根が自由に貫入できる層。日本の学術的な土壌調査は深度1m迄(米国は2m)。?なことに、それ以深の有効土層の本格的な調査例はないようだ。ちなみに、その下のC層はこの一帯(サンパウロ近郊)で は50m前後。世界の地表の1/3を占めるラテライト化した最も古い地層。5.7億年以前の浸食が進んだ安定陸塊(先カンブリア楯状地)が沈降、その上に古生代以降(主に3.6億年前のデボン紀)の地層がほぼ水平に堆積・隆起した卓状地(テーブル状の平原や大地)。
自然は平準化が大嫌い?
もう高炭素資材は要らない?・・・
高炭素資材(廃菌床)無施用
 上: 2015年のAp1層が2014年より5cm低いのは畝を崩したため。Ap1層は未だ腐植(黒)色が濃く変化は分からない。無施用2年目でAp2層にまだら状に残っていた腐植は3年目でほぼ消えてしまった。
 下(拡大像): 団粒径は2〜10mm(スケールは同画像内のものを合成)。粒単位で腐植が分解されるため、粒毎に腐植色の濃淡や粒の一部だけの黄変(本来の土の色)が見られる。
 無施肥土壌を物理的にみれば、心土が厚く耕土が薄い(とは言っても施肥圃場に比べれば2〜3倍)正ピラミッド。A層全体に見られる団粒は土壌全体に対しての入れ子、大粒な団粒も内部は中小、微細な団粒が幾重にも入れ子になった階層構造(大粒が少量、微細粒が大量の正ピラミッド)です。

生物的には正反対で耕土が多様・大量。心土が一様・少量の逆ピラミッド構造になります。ついでに地上部まで拡張すれば上は一様、下は多様の正ピラミッド。

土作りの本質は、物理的には土壌構造のピラミッド化。生物的には地下の生態系ピラミッドの構築。何れにしても階層構造を作り上げることです。
自然は自ら安定状態に向かいます。階層構造は自然が最も安定した時の姿、また階層化(分化、多様化)は進化の一面でもあるのです。

自然は本来、無格差、平等、一様、均一、均質、同質、フラット、ボーダーレス・・・ではありません。  
←戻る   ↑ トップ
階層化さえすれば・・・でもない
 画像(上)のA層は経年と共に34、41、50cmと厚く、強固に団粒化し、腐植色もムラがないまでに濃くなって階層化(画像:上の右2014年)が進行しています。しかし腐植は汚れ、ここまで来れば、「もう大丈夫?」でもないのです。

6年目(2014)の調査は乾期の真っただ中。極度の乾燥のためAp2、Ap3層は、土粒子を繋ぎ止める糊様成分(微生物による分解生成物・分泌物)が乾き団粒同士をガッチリ固めカチカチ。

それでも、団粒が高度に発達しスカスカですから細根は容易に貫通し、その根はB層深くまで入り込み極度の乾燥の中、無施水でも作物の成育には特に支障がありません。

しかし、ダイコンだけはダメ。成長初期の試食痕(画像:下)が見られ、乾期には先端が木の根のように枝分かれ。こんな障害は初めて(連続施用6年目で発生)。
この試食痕(極小さなキズが成長と共に大きくなっている)は廃菌床投入直後の一時的・部分的な腐敗が原因です。 ダイコンの試食痕
 一時的・部分的な腐敗:
全体的な腐敗の場合、葉や他の作物にも虫害が現れる。団粒形成に必要な糊様成分は、主にセルロースやリグニンが分解された多糖類と考えらる。しかし、微生物の代謝成分の中には窒素分も多く含まれ、更に廃菌中の分泌物などが加われば、条件次第(長期間にわたる乾燥などで極表層の糊様成分が消費されない)で部分的に窒素過剰状態になる。
←戻る   ↑ トップ
柔軟な階層構造へ
 ならば単純に考えて、何(廃菌床)も入れなければ(開始:2013-1)・・・、結果は良好。ダイコンでも障害無し、生産性も野菜の種類を問わず施用継続区と変わりません(2年半経過:2015-5)。

一旦、土壌構造が出来上がってしまうと(画像:上の中 2012年、連続施用4年)土壌微生物の活性度は落ちます。その分、餌が少量で良く、施用量を減らさないと結果的に循環の滞り(糊様成分過剰)から、障害が起きてしまうのです。

残滓以外、何も入れないと水田同様、腐植色の脱色現象が起きます(画像:右)。腐植の分解消失は深層から表層に向かって進み、その様子は、あたかも黄赤色(脱色)部分が黒色部分を浸食しているかのようです。このような現象はAp2〜3層が一旦、団粒化した後でないと絶対に現れません。

腐植が消えたからといって土は硬化しません。逆に柔らかくなります。団粒が無くなったわけではなく糊過剰が解消され、非常に強固だった腐植(黒)色の団粒がより柔軟な構造に変化したものと考えられます。
←戻る   ↑ トップ

たんじゅん風施肥栽培

 転換初期 3〜4年間は、それなりに大量の高炭素資材を使っても構いません。短期間で階層化を進め、もし階層構造の柔軟性が失われ循環が滞るようであれば止めれば良いだけのこと。
初期の内は土壌条件が不完全で腐植(汚れ=未消化有機物)が多少溜まることもあります。腐植の害は既に百数十年前から言われていますが腐植の蓄積は単なる結果。それ自体には害がなく、分かってしまえば恐れることはありません。止めれば腐植に関連した障害は直ぐ消えます。

それから、土壌条件によって必要資材の量は大幅(数倍〜10倍)に変わります。土壌環境が良くないと階層化の構築までに多大なエネルギー(餌)を浪費するからです。先ずは環境整備(好気状態にする)が最優先。「労多くして・・・」はたんじゅん流(自然の要求)ではありません。

しかし、高炭素資材を大量に入れれば良いとはいっても、施肥状態になってはなりません。葉色がどす黒くツヤがなくなれば、やり方、使用資材の如何を問わず施肥栽培です。シイタケの菌床(適正量はブロック1個/平米/1作)などを、ブロックのまま畝に大量に積み重ね並べたりするとこのようなことになります。

適正量(乾物量10ton/年)を少々オーバーしたり、循環が多少滞ったくらいでは簡単に施肥状態にはなりません。「分かったつもり」の、たんじゅん中退?(卒業のつもり?)者の指導を受けた農場で見かけます(たんじゅんに卒業はない指導者もいない)。糊過剰と「たんじゅん風施肥栽培」を混同しないで下さい。

また、施肥状態でなくとも転換初期の内は、施肥感覚の者を多数見かけます。ある程度は致し方ありませんが施肥の呪縛から逃れるには、最終的(まだ先があるかも?)にどのような土壌構造になるのかを知れば多少は役に立ちます。

4 9 2
| |
3 5 7
| |
8 1 6


たんじゅん クリエイティブ・コモンズ・ライセンス 表示-継承 4.0 国際(要約) Creative Commons CC BY 4.0日本語公式サイト) 著作権等について E-Mail

←戻る    ↑ トップ    サイトマップ    次へ →

426