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Q & A 2

余計なことも・・・

 Q & A 1  ■Q & A 2  Q & A 3

 食とは命を食べること。
  1. 有機JAS?(質が保証されるわけでは・・・)
  2. 天然資材?(意味のない拘り)
  3. 美味しい?(土壌の清浄度)
  4. 命?(負のエントロピー、自然の意思、創造力)
  5. 品質?(命は人も虫も等価)
  6. 虫食い?(過去のものか、現在進行形か)
  7. 美肌?(自分を生(活)かせば)
  8. 天災?(自然の意思と人の思いの不一致)
  9. 天の運行?(シュタイナーの見ていた世界)
  10. 証明?(虫の勝手、虫の都合)
  11. 前提条件?(施肥の常識 = 無施肥(自然)の非常識)
  12. 煮ても焼いても?(虫が食わないからといって・・・)
  13. 虫・菌?(生命界の免疫機構)
  14. 化学物質・遺伝子組み換え?(人には創造という力が・・・)
  15. 鮮度?(“古鮮”が本物)
  16. 二酸化炭素?(堆肥化は環境破壊を助長)
  17. 農法?(捜し物は何ですか)
身土 医食
同源 不二
 

1. 有機JAS?(質が保証されるわけでは・・・)

 国際基準に準拠した有機農産物の日本農林規格(有機JAS)では堂々?と農薬使用を認めています。たとえ「除虫菊から抽出したものであること。」のような天然資材であっても、化学的に合成された物であっても農薬であることに変わりなく、虫や菌を殺すことを目的に使われます。
無害な牛乳、酢、木酢液、生物農薬(BT剤)、天敵、アイガモ(動物)などでも同じこと、人が手でひねり潰せば人間農薬?「殺し」である以上、農薬(防除資材)です。だから、使うなというのではありません。使わなければならない作物は虫の餌。つまり、有機JAS規定は農産物の質には何ら関係しないということです。

肥料及び土壌改良資材として「化学的に合成された物質を添加していないものであること」なら問題ないだろうというわけにもいきません。天然物でも肥になったり、土壌内で腐敗の原因になれば、やはり作物は虫の餌になり、化学・合成ものと同じことです。
それじゃ、使う物がないではないかと思うかも知れませんが、環境や人畜に特に問題ない限り何を使ったって構いません。但し、全てを生かすためであり、生きるような使い方をするのであればの話です。

使う物だけで生産物の質が決まるのではなく、使い方で決まります。天然、合成にかかわらず殆どの物が毒にも薬にもなります。単に圃場条件や使用資材を規定し、物だけしか見ていない有機JASの有機農産物認定を受けているからといって、質が保証されるわけではありません。当然、認定を受けていない化学肥料・農薬の慣行物でも、認定物より質の良いこともあり得るということです。  
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2. 天然資材?(意味のない拘り)

 高炭素資材のC/N比の調整に尿素を使えば有機JASの認定はされません。しかし、短期間で高温発酵させるために微生物が使い切れば特に害はありません(蓄糞や搾油カスの方が養分バランスが良く奨めるわけではない)。
木(竹)酢液を土壌改良に使えば、主成分の酢酸の殺菌力により一時的に微生物の活動が鈍りますがその後、特に糸状菌の活性が高まります(高炭素資材の高温発酵にも良い)。微生物に必要な微量要素補給になり、炭と共に土壌改良材として使えば、森林資源の有効的活用という点でも、木材チップ、オガコと共にお奨めです。
木酢液にはタール等の有害成分も含まれていて、焼き畑や野焼き、山火事では木酢成分が土壌に残りますが、蓄積されたとか農林産物や人畜に害があったという報告はありません(既に長い実績がある)。焼け跡にはキノコが良く発生します。

化学肥料・人工合成農薬を天然物の有機物肥料・天然農薬に替えても、慣行農法と同じ肥料・農薬農法であり「殺し農法」という本質が変わるわけではありません。大量破壊兵器、生物・化学兵器で戦争しても、刀と槍で戦争しても戦争の本質には変わりありません。
使用資材を替えただけで本物(本来の物)の有機農産物になるわけではないのです。実際には必要なくなってしまいますが、虫の餌ではない人の食物ができるのなら農薬でも肥料でも大いに使ってください。使用資材と真の有機農産物とは直接関係ありません

有機農法ではストチュウ始めニンニク、ヨモギ等の漢方的農薬?や、木酢液、牛乳等が使用されます。でも、それは過渡期の一時的な慣行農法的、対症療法で、何時までもそれらに頼っていては有機農法に転換した意味がありません。虫の餌と人の食物の質の違いを理解し、農薬のいらない作物にしてしまえばよいのです。
生き物の有機的な繋がりの仕組みを知れば、天然資材が良いとか化学・合成物が悪いとかは、意味のない拘りだということが分かります。化学・合成物は残留しやすい物が多く環境負荷が高いことは確かですが何れにしても、そのようなものを使わなければならない防除という概念自体が問題なのです。  
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3. 美味しい?(土壌の清浄度)

 炭素循環農法の作物の味を一言で表現すれば「さわやか」です。本来の味があり、余分な味がないことが最大の特徴です。そのため口に入れた瞬間には、それほど強烈なインパクトはありません。しかし、食べれば食べるほど美味しいと感じ飽きません。塩味を抑えた上品なお吸い物と同じ原理です。初めての者にホウレン草を出すと、どんぶり一杯平らげます^-^。
有機堆肥栽培物は化学肥料物より確かに美味しくなり、しかも味が濃厚で最初からインパクトがあります。これは堆肥による雑味のためです。餡(あん)に少量の塩を入れると同量の砂糖でも甘く感じます。香水には必ず悪臭を調香します。

気候や日照などを含めた地味にも左右されます。気温が低くければ、有機物の腐敗分解も少なく農薬の使用量が減り、高ければ腐敗分解が激しく土壌劣化が酷いため、農薬使用量も増えます。また、多くの作物は気温の日内較差が大きいほど糖(エネルギー)代謝が活発化し、糖度が上がり美味しいと感じます。
腐敗型土壌は作物にストレスを与え“アク”を産生させるだけではなく、腐敗により産生された有機成分の吸収や、無機化された過剰(硝酸態)窒素の吸収が“不味さ”を強めます。
 不味さ(雑味):
土壌中の腐敗成分(化学調味料のような舌に残る嫌な味)。硝酸態窒素(NO3-N)や過剰なミネラルなどの無機成分(泥臭い味)。畜糞などの投入資材(腐敗味と臭い)。植物自身が作るアク=防御物質(青臭い、苦み渋みなどの野性味)。農薬味(カビのような味)。舌触りが悪い(硬い、ゴジゴジ、ザラザラ、ボソボソ、スジ張っている、火の通りが悪い)。
 美味しさ:
高糖度(甘み)。高脂肪含有率(口当たりの良さ)。発酵成分(醗酵味=アミノ酸など)。作物本来の味や香り。舌触りの良さ(柔らかい、ねっとり、しっとり、クリーミー、スジがない、火の通りが良い)。
 有機成分の吸収:
植物は無機成分だけでなく有機成分を吸収、利用する。

不味い野菜の味を一言で表現すれば「化学調味料、合成保存料(防腐剤)等の添加食品と同じような」と言ったところです(不味さの誤魔化しと保存料などの余計な味)。これに農薬味が加われば、もう最悪、何も言う気になりません。要するに腐敗物質、肥料(硝酸、家畜糞尿)、農薬等の余計な味付け(笑)で本来の味が損なわれているわけです。

美味しいと感じるか不味いと感じるかは、好みの問題ですが、好みの形成に味覚の感度と正常度が関係します。徐々に不味い食物を食べさせられると気付かない内に味覚が鈍り、正常度が次第に失われ本来の味が分からなくなります。化学調味料や保存料の味が分からなくなっているようでは既に重症。
正常な味覚を取り戻すためには、余計な味付けなしの食品を食べる以外に方法はありません。「濁りのない、さわやかな味」は、土壌の清浄(正常)度を表し、使用資材や使い方が分かれば、実際に食べてみなくても、大よそ見当が付くようになります。
 清浄野菜:
1.人糞を使用せず(生育期間中)。
2.化学肥料だけを使って育てた野菜。
清浄(正常)な野菜の意味は、勿論この定義の意味ではない。

美味しくなる、もう一つの要素は他のアクも無くなり、柔らかで煮えやすくなることです。生育環境が最適になると虫(菌)の餌としては適さず、病虫害に対する防御機能(抗虫・抗菌物質の産生、茎葉や果皮を硬く厚く)の必要性が薄れるためと思われ、人畜に対する有害物質(アク)も減ります。青臭さがなくなり、大根やネギなどの辛み、春菊やホウレンソウなどの癖の強い味、香りが和らぎ食べやすくなります。キュウリに苦みは全くありません。これは、より作物化することであり、野生化とは正反対の現象です。
 “不味さ”を味る:
一番不味い腐敗しやすい時期(春先、降雨期の始め、長雨の後など)に試食し、土壌中の有機物が腐敗分解された結果、生成された成分の吸収程度を知る(土壌の腐敗度)。果物や果菜類はヘタ部位や未熟果、適期外の物(甘さに邪魔されず不味い成分が分かる)。葉茎根類は茎(結球野菜は芯、根菜類なら根と葉柄の境)などの不可食部分を試食する。ヘタや茎は根から吸収された成分や、葉で作られた成分が集中するため、不味い野菜の場合は最も不味く、美味しい野菜の場合は最も美味しくなる部位である。本物(本来の人の食物)にはどの部位にも“不味さ”がない。更にストレスがなく細胞を傷めないため、茎や葉柄部位にスジ(傷を修復するために木質化した繊維束)が生じない。

清浄な野菜を食べ続けていると数ヶ月から2年ほどで、身体が異物に対し正常に反応するようになり、余計な味付けに対し下痢をしたり、発疹が出ます。敏感な方は各種添加物入りの加工食品に対しても、同様な反応を示すようになります。
炭素循環農法を実践しているところでは個人差はありますが例外なく、このような現象が起きます。味覚が敏感になり食べてはいけない物が分かるようになるのは良いのですが、付き合いなどで外食する場合、食べられるものがない^^; などということもあります。  
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4. 命?(負のエントロピー、自然の意思、創造力)

 人は食べるために生き物を殺します。それは食物連鎖の下位の「命」を食べ、進化の上位の「人」の命に作り直す行為です。「食」のための「殺し」は、より高度な命を生かすための「自然の意思(仕組み)」です。

ところで「命」ってなんでしょう。137±2億年前、ポコッと現われた宇宙は、コォークが飛び交う、一様で均質、無秩序な状態から僅かな揺らぎのために、水素、ヘリウム生成(ビックバン起源)→重元素生成(恒星による核融合)→超新星爆発(恒星の死)→星間媒質→次世代の星。と多様化、不均質化、秩序だった状態へと進化してきました。コスミックリサイクリングと呼ばれる循環です。生命体に必須の炭素以上の重元素は恒星段階で作られ、惑星段階では有機態から、更に生き物が現われます。
でも・・・、ちょと変?。エントロピーの法則に従えば、正反対に多様、不均質、秩序だった状態から、一様、均質、無秩序な状態へと変化する筈ですが・・・。

物理は文字通り「物=量子=有限」の「理」。エントロピーの法則は、閉じた系内で不可逆的な場合に限るとあり、問題ないのです。しかし、実際の宇宙がこの法則に従わないということは、宇宙は閉じていず、可逆であり、負のエントロピーが正のエントロピーを上回っているということに他なりません。

これは「量子」以外の「無量(無限)」の「もの」が関与していると考えれば矛盾はありません。生命現象はエントロピーの法則では説明できないと言われています。「無量」という証拠です。
尤も、「増大分のエントロピーを系外に捨てている」という説明も見られます。でも、生物個体の外や地球の外に捨てる分には特に困りません。しかし、宇宙の系外って何でしょう。量子世界以外のということでしょうか(説明できないと同じ)。


宇宙は生まれ、成長、進化しています。これは紛れもなく生き物の特徴です。開放系、可逆性は循環を意味し「循環=生」です。「生」って、いったい「なに」が生きているのでしょう。「物」?。いえ「“いのち”」です。
命が生きているから「生命体」なのです。「命」の状態(ON,OFF)を表すのが「生」。「体」が物理的、化学的に扱える「物」で、命が生きていなければ「死物?」「死命体?」。屁理屈?(^-^)。物理は死(実証=過去)の科学(見える世界は過去、星空はその典型)。「生」や「命」を物理(だけ)で扱ってはいけないのです

「科学的=物理的」ではありません。正エントロピーは死(物)の法則。物理的に扱えない、負のエントロピーこそが生(物)の法則。「自然の意思」言い換えれば「命」であり「創造力」です。「物」と「命」は一枚の紙の裏表のようなもの、どちらか一方ということはあり得ません。不二一体、「物」に「“いのち”」が内在しています。

「宇宙の歴史=自然の意思」。最終目的は「“いのち”を生命体として生かす」です。高度な命を、いきなり生かすことはできません。そのため食連鎖により命を収斂し、最終目標の「人」を生かしているのです。人は自然の意思そのものであり、自然の創り上げた最高傑作です。
故に、食べる場合を除き、生き物を殺すことは自然の意思に反します。自然の仕組みは生かすための仕組み。それに反した場合、不都合な現象が起きるのは当然です。この宇宙は自然が、己自身を己のために表現するシステム、人は自然の自画像です。

「命」と、その「生死」の状態及び、その器「体」の三者の関係を明確に理解し「生命現象」を語らないと無用な混乱を招きます。これは物理現象と非物理現象が不二一体となった事象を扱う際(物理的に説明付かない時)の最も注意しなければならない基本です。
量子世界は階層構造(量子の梯子)です。各階層での循環が入れ子構造になり、階層全体でも循環しています。最終段階で内在している「“いのち”」が見える“かたち”、つまり「生き物」になります。“いのち”の循環、即ち「“いのち”の保存則」です。  
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5. 品質?(命は人も虫も等価)

 医食同源(薬食同源)・身土不二と言われます。これは「自然の意思に従う」と同義と思います。その地方で採れる旬の物を食べ命を生かす。自然の仕組みに従えば必要な物を必要な時に必要なだけ、自然が用意してくれます。適地適作、地産地消、フードマイレージの縮小は、単に経済や二酸化炭素削減だけの問題ではありません。人の健康や命にも関わる問題なのです。
 フードマイレージ(food mileage):
フードマイル(food mile)とも、消費者運動家ティム・ラング(Tim Lang)氏提唱(イギリス 1994)。食糧の重量ton×輸送距離kmで表す。地産地消なら、その値はゼロ。生産地と消費地が遠くなるほど値が大きくなる。
国名  総量(億ton・km) 一人当たり(ton・km) (2001年度試算)
日本    9002.80     7093
韓国    3171.69     6637
アメリカ  2958.21     1051
イギリス  1879.86     3195
ドイツ   1717.51     2090
フランス  1044.07     1738
 出典: 農林水産政策研究所 PDF「農林水産政策研究 第5号(2003):45-59」p51
施肥農法でも、旬に作れば自然の働きにより比較的、病虫害は少なくなります。しかし施肥は人の思いであり、自然の意思ではありません。そのため自然の意思に反している分だけ差し引かれて受け取ることになります。
差し引き分を農薬や隔離などで強引に奪い取ったとしても、それは見かけ上だけのこと。差し引き分は虫(菌)の取り分。食べた人から虫の取り分はキッチリ差し引かれます。引かれるものは「命」です。

結果的に、殺した虫の命の分だけ人の命が差し引かれ、命には命をもって償わされます。殺すのは自由ですがそのツケは払わなければなりません。命は人も虫も等価です。

 命(人)=命(虫) です。虫の命を横取りすると、
 命(人)−命(虫)=0 となります。

命の正負の記号の違いは、生物には働く場の違いがあり、本来の場で働けばその命は「正」として作用し、「場違い」なら「負」となるわけです。見た目は同じ野菜でも、虫の餌を人が食べれば人は健康度が落ち、人の食物を虫が食べれば虫は死にます。現象としては上記の左項が発酵、右項が腐敗として現われます。人と虫の違いは、人は命の組み立て役、虫は命の解体役と考えればよいでしょう。

熱帯果樹を日本で食べたり、真冬にスイカを食べるのも「場違い」です。その地方、その季節に生きるための命を奪えば、やはり差し引かれます。成分的には同じショ糖でも、ビート(寒い地方で栽培)から採れる砂糖は身体を温め、サトウキビ(暑い地方で栽培)の砂糖は身体を冷やすそうです。その地方で採れる物でないと健康に害があると言われます。

命には「生死」というデジタル性と、健康度に現われるアナログ性があり、これは命の活性度、生命度ともいうべきものです。説明なしに良く使われている「生命力」つまり、命の活(生)きの良さ。生命力は物質面に直接現われない「質」です。

高度に精製された食品は健康に良くないと言われます。通常、食物の命はデジタルでみれば OFF 状態(死)です。しかし、生命力は生死とは別で、高度に精製することにより、単なる「物=死物」に近付き、食物の活きが落ちた分、人を生かす力が少なくなると考えられます。
物質の純度を上げれば命の純度が落ち、命の純度を上げようと思えば物質としての純度が落ちる。という反比例の関係が成立します。負のエントロピーとエントロピー。生と死。進化と退化。分化と未分化。全て同じ「命の組み立てと分解」という関係です。

これはヒトに限らず、植物でも土(微生物)でも同じこと。化学肥料や堆肥化され無機状態になり易い物質的純度が高いものより、精製度が低く命の純度がより高い「生きたもの」の方が命を生かすのに適しているのは当然と言えます。
ただ、面白いことに精製し物質的純度を上げると薬理的効果が高まることです。そのため使い方次第では大変効果的ですが、あくまでも薬理効果。食品ではあっても「食い物」とは言えず、食物として優れているわけではないのです。薬理作用の二面性の一方は「毒」。当然、危険度(副作用など)も高くなります。

施肥害やサプリメントによる害作用(単に量的な問題ではない)なども、この仕組みの現れで物的な一面しか見ていないために起きる障害です。物的面が品質の「品」、文字通り「しな」。見かけや化学的な成分で「物」の一面を表します。直接見えない「質」が伴わなければ人の食物としては不適格です。  
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6. 虫食い?(過去のものか、現在進行形か)

転換中の虫食いと質
試食痕
完全に転換が終わらない内は果菜類など虫が少し、かじって試食しキズが残ることもある。虫食い痕はウリ、トマト、イモ等は5mm程の穴になるが表面だけ、中に虫は入っていない。傷はコルク化し、そこから腐ることもない。
飛翔能力のある虫達
一時的に弱れば、主に飛翔能力のある成虫に食べられる。その後回復すれば食べない。たとえ成虫が卵を産み付けても幼虫は育たず果実の中に虫(幼虫=ウジ)が入っていることはない。
 土壌の清浄度、肥沃度が十分上がれば虫は全く食べなくなるため考慮外。しかし、転換中の変化を正確に知っておいた方が良いでしょう。
また、炭素循環農法の野菜にはアクのないのが特徴ですが転換中でアクがあるうちは虫が食べます。アクがあるから鳥や虫が食べないという従来の説明は、限定された範囲でのみ通用します。
 限定された範囲でのみ:
自然状態や通常(炭素循環農法以外)の農耕地で清浄度・肥沃度が極限まで上がることはない。そのため、その原理も理論も、またどの様になるのかも誰も知らない。

穴だらけの葉野菜や、虫が中に入っている果菜類、イモ類は質が悪く虫の餌。しかし、そこそこのレベルに達しても定植や管理の不手際、気候の急変等で弱ると虫に食べられます。でも一時的で、その後食べなくなれば虫食い痕(試食痕)はあっても辛うじて、人の食物と言えます。

虫は人ほど馬鹿ではありません。食べられるか食べられないか良く知っています。分からなければ虫は試食をします。かじってみてダメと分かれば、それ以上決して食べません。試食痕は、それなりに良質な人の食物である証ですが困ったことに、キズ物になって商品価値が落ちてしまいます。
 それなりに:
慣行物は評価外。無施肥で40〜60点未満、まだ合格点(60)に達していない。

同じ虫食いでも、過去のものか、現在進行形かで質が全く違い、この違いの意味を生産者や消費者に正確に知らせることが重要です。更に本物(本来の人の食物)は全く虫に食われず、全ての点に於いて慣行農法や一般的な有機栽培物を超えることを。
 
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7. 美肌?(自分を生(活)かせば)

 炭素循環農法に転換すると、素手で作業しても肌が荒れない、肌にやさしい土に変わります。人の肌(細胞=生物)は外部環境から身を守るために色々な成分を分泌し、表皮に住み付いている微生物も肌を守り弱酸性になっています。

土の中の微生物も同様に、美肌?を守るための対策をとっている筈です。なんせ裸で細胞一つの身ですから守れなければ即、死です。肌を痛めるのは主に土の微細な粘土粒子です。バラバラの粘土粒子が微生物の分泌する成分や分解物で包まれ、繋ぎ合わされて土を団粒化します。
十分な炭素があれば微生物が大量に繁殖し、大量の美肌成分が作られます。健康な土は肌と同じ弱酸性となり、下手な化粧品より肌をよく守ります。「働けど 働けど 我が暮らし楽にならざり じっと手を見る」では土ができていない証拠ですね(^-^)。

人の細胞も単細胞の微生物も基本的にはそれ程大差はありません。微生物の美肌成分が人の肌を守るのは当然と言えます。そして、土が団粒化すると地球の美肌も水食、風食、乾燥等から守ります。そこで育つ作物は腸内の腐敗作用を起す菌の働きを抑制し弱酸性に保ちます。
健康な腸は、ますます美肌に磨きをかけ、更に臨床医学で「脳腸相関」と言われるように、健康な脳を作り、免疫系を正常にコントロールします。腸は最初にできた器官で、腸の健康が人の健康に直接作用すると考えられます。

自然は「命を生かす」ためのシステムです。自分を生(活)かせば他(人に限らず全て)が生き、他を生かせば自分が生きる。一旦、生かす方向に向かえば全てが生きてくるという単純な仕組みです。自分を生かそうとするだけで地球も生きます。この仕組みを仏教では「利他」と言っています。  
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8. 天災?(自然の意思と人の思いの不一致)

 天災も害虫(菌)同様、幻です。人が自然を無視した結果です。例えば雹ですが、たまたま降るわけではありません。雹害に合わないようにするには土地を裸にしないことです。つまり森林を農地にしないことです。しかし既に多くの森林を切り開き農地にしてしまいました。またそうしなければ食糧が不足してしまいます。

特に熱帯、亜熱帯地方では土地が裸になると太陽の直射で地表が非常に高温になり、地表の水分の蒸散と急激な上昇気流が発生し突風と降雹、集中豪雨が起こります。これが森林を農地化すると降雹、豪雨が増える原因で、大都市のヒートアイランド現象と同様な現象です。

このため雹は何処でも同じように降るわけではありません。地形や地表の状態によって雹が降る場所は大体決まっていて何時も同じ農場が雹害にあいます。雹害の殆どは天災ではなく人災というわけです。
比熱の大きい水が地表を覆っている水田地帯での雹害は滅多にありません。農地化しても地表を覆う物(水、作物、雑草、マルチ)があれば地表の温度変化を緩和でき雹害は防げるわけです。また土壌が団粒化し土壌中の気相が増えれば断熱効果が高まり同じ効果があります。これは霜害についても同じことが言えます。

たまたま、偶然、突然などという戯言は因果関係の究明を放棄した時の言い訳に過ぎません。少なくとも科学的に探求しようとした時、使う言葉ではありません。全ての事象には因と果があり、他の災害も同じことが言えます。自然の循環を無視した施肥・殺し農法、適地適作の無視、無理な品種改良、自然を無視した開発等、の結果が天災(人災)として現われます。

自然の意思(仕組み)と人の思いの不一致から起きる現象が天災です。もし、天災が幻でないと言うのなら「施肥・殺し農法」における、あらゆる障害も全て天災ということになってしまいます。農地を森林土壌化し、自然の仕組みに近づければ生産量を落とすことなく天災は減らせます。  
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9. 天の運行?(シュタイナーの見ていた世界)

 それぞれの季節や月齢、時間帯等に応じ、最も適した管理や作業をすると良いと言われます。生物はそれぞれの、時に応した生命活動を行うという生理的特性を持っていて、最もエネルギー(養分)が集中し充実する部位が、季節や時間帯で違います。
ですから、その時に合わせた管理や部位の収穫をするのが理に適っているわけで、大袈裟に言えば「宇宙の運行に合わせる」という事です。

昔からある程度、体験的に知られていて満月の蟹は繁殖のために活発に活動しエネルギーを使い果たし、身が少なく不味い。
また、真冬の下弦から新月に切った竹は、虫、カビ、腐食に強い。木はさらに割れ、狂いが生じにくいと言います(闇夜切り、新月の木)。これは、地上部の活動が最も落ち、エネルギー(糖=でんぷん)が根に集中する時期(下表の 2〜6)です。これ等の事象を一覧にすれば、

循環表
  5 = みどり 4 = きい 2 = あか 6 = あお
四季
上弦 満月 下弦 新月
成長(管理) 発芽 栄養成長 生殖成長 結実
部位(収穫) 芽・葉 果(実) 種(実)・根
生物 植物 動物 微生物
死(誕生) 幼・少 青・壮
土壌の三相
(四相)
固相 気相 生(物)相
(バイオマス)
液相
バイオリズム
(生体周期)
S(感情)曲線
3+(5x5)=28
3+(3x5)= 18
3+(8x5)= 43
P(身体)曲線
3+(4x5)=23
3+(9x5)= 48
?曲線
3+(2x5)=13
3+(7x5)= 38
I(知性)曲線
3+(6x5)=33
3+(1x5)= 8
デミングサイクル
Deming Wheel
Act
(計画)
Plan
(決定=ゼロ時間)
Do
(実行)
Check
(結果/検証)
方位 西
気質[要素]
[精](岡田茂吉)
[四大元素説]
(四精霊)
憂うつ質
[土]
多血質
[風]
胆汁質
[火]
粘液質
[水]
四大天使
四天王
四神獣
 
六道(界) 六観音
 
ウリエル[南] [土]
増長天[南]
青龍[東]
 
人道  准胝観音
(3)畜生道  馬頭観音
ラファイエル[東] [空気]
広目天[西]
白虎[西]
 
餓鬼道  千手観音
 
ミカエル[西] [火]
持国天[東]
朱雀[南]
 
修羅道  十一面観音
(7)地獄道  聖観音
ガブリエル[北] [水]
多聞天(毘沙門天)[北]
玄武[北]
 
天道  如意輪観音
 
五大(インド)
[方位] (色) は共通
五行(中国)
地(正色)(間色)
[中央] (黄)(黄)
土  脾(膵臓) ⇔ 胃
風,空
[東,西] (青,白)(緑,縹)
木,金  腎 ⇔ 膀胱

[南] (赤)(紅)
火  心 ⇔ 小腸,肺 ⇔ 大腸

[北] (黒)(紫)
水  肝 ⇔ 胆
モーセの十戒(1〜4)
(他は常識的規範)
我は汝の神○○○我の他何ものも神とするなかれ 安息日をおぼえてこれを聖くせよ 汝自らのために偶像を作って拝み仕えるなかれ 汝の神○○○の名をみだりに唱えるなかれ
肌の色
(民族意識)
アフリカ アメリカ アジア ヨーロッパ
時代 労役者
(無政府)
守銭奴 武人 知識人
認知症
精神疾患
異常
(あちらの世界)
正常化 正常
(こちらの世界)
異常化
方向[次元]
(時空)
後 [-z軸]
(未来)
右=横 [x軸] 前=縦 [z軸]
(過去)
上=高さ [y軸]
意識理性 本能 感情 智性
 これはバイオダイナミック農法などで言われているままのものではなく、「数=色=光」の理論に基づき独自に組み直してある。循環方向は → ・・・ 以外の方向は存在しない。
 日: 夜 0:00-6:00  朝 6:00-12:00  昼 12:00-18:00  夕 18:00-24:00。
土壌の三相(四相):生相(バイオマス)が欠落したのが施肥・殺し農法。制御の仕方が分からないのが自然風(自然猿真似)慣行農法。
バイオリズム:よく知られているのはS,P,I(周期)の3つだが理論上、共通の「表面意識と肉体のリズム」は4つ(上段)。更に、個人特有(個性)の意識と関係するリズム(下段)があり、人により4+(0〜3)=4〜7つのリズムの影響が強く現れる。なお、より正確には13感情、18肉体、28理性、23本能、33知性。ちなみに43感受性、43直感力、38愛情、8念。
 方位: 南半球では南北が入れ替わる。方位との一致は「北:水」のみ(4元素だけなら全てで一致)。北向きで(頭:北,足:南)大地(自然=神)の側(基準)から見ると天使や聖書(黙示禄、エゼキエル書)にある対応関係になる。自然風土・社会文化的影響は地域差が大きく、起源が一つであっても長い伝達の過程(数千年?)で、方位の対応関係の混乱が起きたと思われる。
 五行説: 五臓六腑説と同じ。臓と腑(左右)が対となる。
 時代: それぞれの意識が、その時代を実質的に支配する(P・R・サーカー)。

このようになります。「これは一体、何なんだ」とお思いでしょうね。実はこれがバイオダイナミック農法を提唱した、ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)の見ていた世界を整理、単純化したものです。シュタイナーの遙か以前(紀元前数千年?)から伝承され、既に広く一般に知られていた思想・文化体系です。
農法に直接関係ないものもありますが、彼はいわゆる霊能力者で、肉眼では見えない世界(非物質世界)のエネルギーを「色」「数」として、このように見ていました。また、自然農法の提唱者(岡田茂吉)も表現は違いますが同じことを述べています。
バイオダイナミック農法(参考):バイオダイナミック・カレンダー(OZ GARDEN)
色即是空の「空」もこれのこと。他の多くの宗教や修養・修行法などにも随所にみられる。

更に、バイオダイナミック農法では9種類の「調合剤」があり、堆肥作りや土、作物に散布し、これは「色」「数」「惑星」に対応しています。
現実の天体の惑星は、臓器の意識、心の世界の惑星?=意識(層)、等にも対応している。そのため、単に現実の天体だけを考えてもあまり意味がない。
ギリシャ神話の神々や天使も「数=色=光」に対応している(意識の世界を観て、それに対応させて神話が語られたと考えるのが妥当)。

BD農法 調合剤
9 501番
太陽
土星
石英(水晶)を雌牛の角に詰め、夏の間地中に埋め。 宇宙のシリカ極エネルギ−。
植物の地上部に作用し光による代謝を活性化。抵抗力を高め、品質(保存性・色づき・芳香・風味等)、栄養価を向上。(夏)
1 500番
地球
雌牛の糞を雌牛の角に詰め、冬の間、地中に埋め。 地の極エネルギ−。
根の樹液循環、根圏の物質循環を促し、土壌生物相(主に微生物)の多様化、強化・安定化。その結果としてミネラル類の可溶化。(冬)
2 507番
火星
カノコソウの花の摘みたて搾液。 肥料(窒素)とリンとの関係正常化。
堆肥や土壌中の有機物の発酵を助け地温上昇効果等により作物の耐寒性を増す。(秋)
3 504番
火星
太陽
イラクサの満開時に地上部を採取、土に直接触れないよう乾燥ピ−トで覆い地中に1年間埋め。 鉄をイオウと結合。
土壌(=肉体)の健全化。窒素を安定化し栄養素の供給を円滑にする。(無季)
4 503番
水星
牛の腸にカモミ−ルの花を詰め、腐植土中に冬の間埋め。 カルシウムのイオウ結合を助ける。
命を育む土の力を増強。植物の持つ本来の能力=生命力を刺激し成長を促す。(夏)
5 508番
土星
スギナの煮出液。 502〜507番までの6調合剤の制御・調和。
大地(基盤)に及ぼす月の強い作用を抑制、大地本来の性質を強固にする。カビ病への抵抗力を増し、多湿地域で効果大。(春)
6 506番
木星
タンポポを牛の腸間膜に詰め、冬の間よく肥えた大地に埋め。 ケイ酸とカリウム・イオウとの関係正常化。
堆肥に呼吸を与える。(冬)
7 502番
金星
ノコギリソウを雄鹿の膀胱に入れ、夏の間日光を当て。冬の間(夏まで)地中。 イオウとカリウム(及び他のミネラル)関係正常化。
微量要素の可吸化、大地に活力を与え持久力を増す。(秋)
8 505番
牛、豚、馬等の頭蓋骨にナラ類の樹皮を詰め、秋・冬の間、絶えず水が流れ込む土中に埋め。 炭素をカルシウムと結合し骨格・皮膚等の形成を促す。
月の諸力の影響を抑制。抗病性=治癒力をもたらす。(無季)
(注釈、性質からみて他の全ての調合剤と併用するもの)
G ホ−ン ・
クレイ
シュタイナーが調合したものではない。500番と501番調合剤の仲介役。
農地の全統合・バランス。
 使用法(詳細は他のサイトで)
500番: 調剤 100〜200g + 雨水 50〜100L(/1ha)を樽に入れ1時間ダイナミゼーション(樽の水を攪拌渦巻き状に、その渦巻きを壊し渦を反転・・・を繰り返し水に調剤の情報を印加)、土に(夕)散布する。
501番: 水に印加し作物に(朝)散布。
502番〜506番: 積み上げた堆肥に穴を掘り、それぞれ1スプーンずつ注入。
資材や使用対象、時間帯はそれぞれのエネルギーの性質と密接に関係している。直接、物質を構成し各惑星と対応関係にある 2〜7の、6つのエネルギーは草花に対応させ、資材作り(堆肥)に使用。
太陽、地球に対応し、物質を構成せず物性として間接的に関与する 9、1のエネルギーには糞、鉱物を当て直接圃場に散布。8は月に対応、樹皮を当て堆肥に使用する。という明確な区別をしている。地球1(我)に最も強い影響を与える太陽9と月8が別格なのは当然。

これまた、農法とは直接関係ないがシュタイナーの設計した教室は低学年から昇順に「数=色」の順序通りに配色している。

 これは形而上的な精神論ではなく、物質以前の意識(心)の世界の科学。調合剤は「物質」の投入ではなく、情報の伝達(ホメオパシー効果)。土壌環境が整わなければ効果は期待できず、環境が良ければ必要ない?。「効果は生産性と負の関係にある(低生産性ではプラス効果、高生産性ではマイナス効果)」という調査・研究結果が出ています。
調合剤はオカルトチックで怪しげ(^-^;ですが実践者は大真面目にやっています。まあ、一種の「おまじない」あるいは「触媒、親和剤」や「同調装置・変換機」みたいなもので、意識の世界の9つの「色=光(物質的なものではない)」と対応関係にあります。
[オカルティズム: ラテン語の“occultum = 隠されたもの”に由来し「神秘学」と訳され、近代科学が扱わない(扱えない)知識や現象に対し、嘲笑の意味を含めて使われることもある。]

このようなものは自然環境に近いほど、浄化が進むほど雑音が少なく顕著に現れます。しかし、これら全てを組み合わせると膨大、複雑化し対応は困難。単純を旨とする炭素循環農法では天体の運行等を特に言いません。しかし月と養分の移動は密接に関係し作物、作業によっては無視できません(特に播種時期、糖度など)。
いずれにしても、物質的環境や農法以前の天の仕組みから何者も逃れることはできず、安易に精神論を振り回したり(精神論では作物は育たない)、無視(否定)したりしないためにも「このようなこともある」ということは知っておいた方が良いでしょう。

養分(エネルギー)が集中する部位が一番充実し、質(命の密度)が高い=生命力が高いと言えます。勿論、作物により全ての条件を満たすことはできませんが、大よその目安として、作物の部位の色や一日の色温度変化なども考慮し収穫や作業をすれば良く、緑の葉野菜なら春の上弦の夜明け(夜-朝)。黄色の実なら夏の満月の午前(朝-昼)。赤い果実なら秋の下弦の午後(昼-夕)。見えない所に出来る根菜類なら冬に向かう新月の(夕-夜)が最適といった具合に捉えます。

また旬を大切にという身土不二、医食同源(薬食同源)の根拠の一つでもあり、表を見れば何時(四季、月齢、時間帯、成長段階)、何処(部位)を収穫し、何(生物、部位)を重点的に食べれば良いか一目瞭然です(人は食べないで^-^;)。ヒトは若い内は適度に肉も食べ、夕には子孫繁栄に励み、老いたら穀菜食を中心にというのが自然の理であり、天の運行に従うということになります。  
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10. 証明?(虫の勝手、虫の都合)

虫(菌)が何をどのように選んで食べようと、それは虫の勝手、虫の都合で決めます。言い換えれば虫の餌は神様(自然)が決めているのです。
誰がなんと言おうと、人の作った基準(思い)がどうあろうと虫が食べれば、それは虫の餌。人が勝手に決めることなどできません。

同様に、天然資材なら良いとか悪いとか、人が決めるのではなく、植物や虫が決めます。そのため、有機JASのように人が勝手に決めた基準は多くの矛盾を含みます。虫にお伺いを立ててから決めるべきです。
毒を盛らず、隔離せず「どうぞお召し上がり下さい」と差し出して「そんな不味いもの食えるか」と虫に突き返されて(笑)、初めて虫の餌ではない、人の食物だという証明がなされます。

実際に自然界や農業の現場で起きている、厳正なこの事実を認めることが大切です。そして、現在の分析技術を持ってすれば、容易に虫の餌と、人の食物の違いを調べたり、数値化できる筈です。
人畜にマイナス作用を持つ、硝酸の含有量や、土壌中有機成分の腐敗により、産生された物質の定性分析・定量化。それらと糖度やビタミン・ミネラル量、発酵成分(アミノ酸?)などのプラス作用を持つ成分との関係を明らかにすれば、虫の好みが分かります。
科学的には、このようなことをしなければなりませんが、農業現場や消費者は、虫(菌)が食うか食わないか=日持ちの良さ(菌が食うか食わないか)、糖度と美味しさで見分ければ十分です。  
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11. 前提条件?(施肥の常識 = 無施肥(自然)の非常識)

 慣行的施肥農法(施肥・殺し農法)の常識を、悉く正反対にすれば炭素循環農法=無施肥農法(自然農法)の常識になります。
だからと言って慣行農法の常識が間違っているというのではありません。勿論、無施肥農法の常識も間違いではありません。

では何故、正反対なのでしょう。これは、自然の仕組みが一つであり、前提条件に違いがあるためです。前提条件が施肥と無施肥という正反対の関係であるために、両者の前提条件の範囲内での常識は当然のことながら正反対になるのです。

 無施肥(自然)の常識 = 施肥の非常識
 施肥の常識 = 無施肥(自然)の非常識

という関係です。施肥・殺し農法の常識をもって、無施肥農法で起きる現象を判断しても何の意味もありませんし、無施肥農法の技術の応用もできません。また、その逆も真で、無施肥農法の常識でもって施肥農法はできません。

つまり、前提条件を選んだ時点で、技術体系も同時に決まり、他方の前提条件の技術体系は使えなくなります。無理して使うと必ずマイナスの結果を招きます。
前提条件の選択は自由ですが、「毒を食らわば皿までも」が施肥・殺し農法だということを承知の上で選択して下さい。

そして、選択した以上、泣き言は言わないで下さい。例えば、虫の餌を人に食わしておきながら「家の野菜は農薬の残留が無いのに農薬漬けと言われる、消費者は正当に評価していない」などと。
分かっていないのは、虫の餌を消費者に平気で食わせている生産者の方です。もし、これが法律なら知っていようが、いまいが罪は問われます。泣き言を言うくらいなら、前提条件を再検討するべきです。

消費者も同様です。質を優先せず、見かけや値段を選んだ以上、虫の餌を食わされても文句を言わないで下さい。文句を言うくらいなら、虫の餌を買わないことです。
そして、人の食物か虫の餌か、分からなければ虫(菌)に聞いて下さい。非食品(毒物も含まれる食物外物質)である化学調味料、保存料、着色料等の無添加食品を選び、味覚を正常にして下さい。  
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12. 煮ても焼いても?(虫が食わないからといって・・・)

 無施肥農法の作物を、初めて買った消費者が必ずと言ってよいほど、失敗することがあります。それは、溶かしてしまうということです。
皮が薄くて身も柔らかく、火の通りが非常に良いため、慣行農法の野菜と同じように煮ると、煮過ぎになり溶けてしまいます。

葉は柔らかくしなやかで、収穫やパック作業時に、簡単に折れなくなります。収穫適期を過ぎて大きくなり過ぎた物でも、硬くならないため食べられます。芋や根菜類は皮を剥かなくても食べられ、長期保存しても、硬くならないため同じように短時間で煮えます。

ということは虫(菌)は、葉や皮が硬いからという理由だけで、食べないわけではないということです。虫が食べない真の理由は他にあります。しかし、慣行農法の作物では、虫は柔らかい所を好んで食べるのも確かです。この事実は、一見矛盾しているように見えます。
しかし、虫に食われ易い作物は、葉や皮、全身を硬くして(繊維化、木質化)、自己防衛していると考えれば矛盾がありません。虫の食えない作物(人の食物)は、何も硬くする必要などなく、たとえ傷が付いたりしてもそこから腐ることはありません。

品種改良で、抗病(虫)性を謳ったものの中には、このような物が見受けられます。硬くて、不味くて、幾ら煮ても溶けない不思議なトマト(笑)。馬でも食えないと思われるような、硬く味の無いキャベツ。見た目だけは素晴らしいゴジゴジ苺などです。

でも、虫(菌)が食いさえしなければ良いというものでもありません。煮ても焼いても食えないような品種改良をすることは、農薬使用や隔離と同等な行為で、虫の餌を虫に食わせず人が奪う手段であり、いくら虫が食わないからといって、人の食物とは言えないでしょう。  
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13. 虫・菌?(生命界の免疫機構)

 免疫は「あっては不都合なもの(非自己)、役目を終え用済みになったものを処理」する機能です。これを、虫(菌)は「あっては不都合なもの、役目を終え用済みになったものを処理」するのが役目です。このように「免疫」とあるところを「虫」と言い換えてもそのまま通用します。

人が害虫(菌)と呼んでいる一群の虫や菌は不健康(異常)な動植物を、生命(生物)界の敵(異物=非自己あるいは用済み)とみなし処分の対象にします。健康なものは自己と認識しているため攻撃しません。という言い方ができます。
地球は一つの生命体である(ガイア理論)。からすれば、虫は地球生命体の免疫機構の一部と考えられます。更に天変地異などの天災も同様な意味を持ちます。

地球が生命体なら当然、恒常性を保つため免疫機構が組み込まれているはずです。このように捉えれば、防除とは免疫機能の破壊・抑制であり、その結果、生物界の頂点に立つヒトがおかしくなっても、全生物との相互作用により自動制御されている地球が壊れても何の不思議もありません。

特に農薬使用は免疫にとって重要な働きをする白血球を殺すのと同等な行為でしょう。農薬使用は堆肥や化学肥料などの施肥の結果です。施肥は生活習慣に相当、これを改めなければ、自己免疫疾患や生活習慣病は防げません。ちなみに土壌微生物や雑草は免疫の最前線である粘膜免疫に相当し、先ずここから見直すことが必要です。

人体は小宇宙・ミニ地球と言われます。逆に見れば免疫は生体(個体)レベルでの食物連鎖(主に腐食連鎖)と言えます。神様は手抜きが大好き(^-^)。ここでも一つの仕組みを入れ子構造にして汎用的に使っています。

 免疫:
自己と非自己(異物)を識別、非自己を排除し恒常性を保つための仕組み。免疫系の主要細胞は白血球。好中球(細菌を食べる)、マクロファージ(細菌や異常細胞、アポトーシスした細胞などを食べる)、リンパ球(T細胞、B細胞 免疫細胞の活性化・抑制)などがある。

 アポトーシス(プログラム化された細胞死):
不要になった細胞、害となる細胞を取り除く細胞死の機構。細胞の凝縮、断片化とともに染色体DNAが急速に分解し、マクロファージや樹状細胞などの食細胞に速やかに貪食処理される(生きている細胞は貪食しない)。
細胞死は他に、ネクローシス(細胞破壊)があり、酵素などで急激に細胞が破壊される。死細胞の貪食処理が効率良く行われず、破裂すると細胞内分子が放出され、自己免疫疾患を引き起こすと言われる。

 抗体(免疫グロブリン):
抗原(異質物)と結合し排除。抗原毎に対応する抗体を作り、その抗原に対してのみ効果がある。IgM、IgG、IgA、IgE、IgDの5クラスがある。感作は2回目以降の方が免疫反応が大きく、過剰反応をアレルギーという。

 ガイア理論[ジェームズ・ラヴロック] ガイア説:地球は生きているか?を参照:
地球は大気、水系、土壌、表層地殻にまたがる生命圏全体が、気温、海洋塩分濃度、大気ガス組成などを、自己制御している一つの巨大な生命システムである。
生物は環境に適応すると同時に、岩石、大気、海洋などの物理環境と相互作用をし環境制御に寄与している。(ガイア=ギリシア神話の大地の女神)

 自己免疫疾患:
免疫機能の異常により、自己を非自己と認識し正常細胞を攻撃する疾患(膠原病がその代表)。だが多くの場合、特異的・選択的で自己の細胞を無差別攻撃しないことから、免疫機能は正常で自己細胞が非自己と認識されるほど異常なためとの異説の方が矛盾がない。生活習慣と深い関わりがあると考えられている。

 粘膜免疫:
全身免疫系の70%を占める。粘膜は通常一層の上皮細胞からなり、異物の侵入経路になりやすく、免疫の最前線と言える。小腸壁全域(約400m2)に分布するバイエル板がその中心(特に回腸に多い)。lgA抗体を出し異物を排除したり食物アレルギーを防ぐ。常在細菌叢や食物成分には反応しない。
 
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14. 化学物質・遺伝子組み換え?(人には創造という力が・・・)

 人が作(創)りだす化学物質に対しては、安全であるというだけでは不十分で、自然の命を生かす仕組みに沿っているか否かが重要。生かすためなのか、何かを殺すためなのか使用目的で判断すれば間違いありません。遺伝子組み換え生物でも基準は同じ。単に組み換えがいけない、などというのは無意味です。

物質と生物の違いはあっても、両者とも自然状態ではあり得ないものを人が創るわけです。物質なら良くて生物はいけない、などということはありません。どちらも命を内在していることに変わりありません。
人には「創造」という力が与えられているのです。これは人が自然(神)の最終作品、自画像だからです。神の代理と言ってもよいでしょう。

できることは何をやっても良いのです(現実にやっている^-^)。但し、図に乗れば化学物質過敏症のような形で警告が・・・。
ただ一つ言えることは「人はどのようなもの(技術など)でも、時が熟さなければ手に入れることはできない」ということです。手に入れたということは、同時に使っても良いとの許可が下りたことを意味します。でも、あくまでも自己責任。一つ間違えれば自ら滅ぶことになります。

また人は一度手に入れたものは絶対に手放そうとはしません。核をみても分かるでしょう。平和利用でも負の面の方が大きいと言われます。
ましてや遺伝子組み換え。これほど美味しい^-^、魅惑的で創造力をくすぐる技術は他にないでしょう。新しい生き物を創ることもできるのです。人がこれを手放すことなど絶対にありません
 絶対に手放そうとは
遺伝子組み換え作物や種苗の独占(ターミネーター種子)、これは戦争等と同じ「殺し合い文明」故の問題。幾ら戦争反対と叫んでみても平和が訪れないのと同様に、遺伝子組み換え等を問題にしても「生かし合い文明」にならない限り根本的解決には至らない。
“たんじゅん”は、あらゆる分野、レベルで同時多発的に始まっていると思われる、文明の転換(パラダイム・シフト)の一つの現れ。ただ、かつて経験したことがない次元の転換故「何がその兆候なのか」は直ぐには分からない。だが、視点(基点)をあちら(天)に置けばそれが見えてくる。

光合成を盛んにして生産性を上げる植物とか、有害物質を分解をするバクテリアなどなら環境中に漏れ出しても問題ありません。たとえ植生・生態系に変化を与えてもです。
生態系は気候などの環境変化に合わせ、変わるのが本来の姿。温暖化すればそれに合わせ植生は変化します。問題は変化した環境の方(要因)にあるのです。
たとえば葦原などの水辺の植物が消えれば在来魚の繁殖や生息場所がなくなり、外来魚の餌となり絶滅の危惧が生じます。環境さえ取り戻せば、一定以上に外来種が増えることなどなく帰化種として定着します。勿論むやみに持ち込んで良いと言うのではありません。

理由は何であれ、殺し目的の組み換えはいけません(除草剤耐性大豆、Btコーンなど)。虫や雑草を殺せば地球規模での免疫力低下に繋がります。殺しは生かすための殺し(命の組み立て=食べる)以外は全てマイナスの作用として返ってきます。農薬と同様、要するに目的が不純なんです(笑)。

安全性は自然にできた、性質が分かっているDNAを組み換えるわけですから、非組み換えと同等と考えられます。ただ通常は人の口に滅多に入らないものが入るわけですから、それなりの確認が必要なことは言うまでもありません。
でも、たとえ圃場から自然環境に漏れ出しても、人畜の腸内や土壌中で水平伝播が起きたとしても、プラス作用しかないものなら問題は起きないでしょう。
雑草がより高い光合成能力を持っても、大地を保護し保全力が増すだけです。また、どこで有害物質の分解が行われても構いません。どのような経路で、どこに伝播してもプラス素因はプラス作用、マイナス素因はマイナス作用をもたらします。

そしてヒトは生物界の頂点に立ち、共食い以外なら食える物は何でも食っても良い、立場にいる生き物であるということです。今まで自然界で起こった化学合成や組み換えの結果、できた物は一通り経験済みです。人為的に組み換えたからといってこのことに変わりはありません。新たな経験を積み上げていくだけのことです。  
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15. 鮮度?(“古鮮”が本物)

 野菜は「採れたて・・・」。これは欠陥野菜(虫の餌)での話。本物(人の食物)には関係ありません。鮮度を決めるのは収穫後の経過時間ではなく、作物の活力(生命力=健康度)だからです。
新鮮は当たり前、“古鮮”が本物。新しくても古くても、鮮度が良くなければなりません。「新」と「鮮」は分けて捉える必要があるのです。
「朝採りだから新鮮」との宣伝文句は「直ぐ腐るから早く食べろ」と言ってるのです。昔からの生活の知恵、本物は一定の熟成(発酵)期間をおかなければ本当の美味しさが出ません(枝豆3日、スイートコーン5日ほど)。
「新しさ」を売り物に、殊更それを強調しているものは要注意、新しさは「人の食物」の選択基準ではありません。

果菜類は熟度の関係上、長期保存ができないものもありますが、冷蔵庫が当たり前の現在、活力のある良質なものなら、葉野菜で一ヶ月前後(結球ものは長い)、茎根類なら半年以上、鮮度は保たれます。
レタスやハクサイ、キャベツなどは、外側の古い葉の養分を、より若い内側の葉や、最も大切な成長点に移行させます。収穫後は外葉を枯らすことによって、少しでも長く生き続けようとしているのです。外葉が枯れるのは、活力があり良質な証拠で、内側は美味しく食べられますから捨てないでください。

植物は低温に遇うと凍結しないよう、デンプンを糖に変え樹液の濃度を上げ身を守ります(本物は冷害を受け難い)。そのため冷蔵庫で保存すると、採れたてより糖度が上がり、更に美味しくなる事はあっても不味くなることはないのです。雪中保存の野菜と同じ原理です。
ところが「虫の餌」はエネルギー代謝能力が劣り、低温下でも収穫後から速やかに糖(エネルギー)を使い果たし、水っぽくなり不味くなります。
そして、バクテリアにより生きながらにして処分されます。つまり腐敗です。本物を“味分ける”自信がなければ、バクテリアに判別してもらえば間違いありません^-^。  
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16. 二酸化炭素?(堆肥化は環境破壊を助長)

 気温上昇が大気中二酸化炭素濃度上昇より、半年〜1年先行している事実や、人為的二酸化炭素の大気中への蓄積量、温室効果ガス全体に対する二酸化炭素の割合(温室効果の90%は水蒸気)などから考えて、二酸化炭素だけが温暖化の主犯のように騒ぐのは大いに疑問(環境破壊の真の原因の隠蔽?)ですが・・・。
また、エネルギー収支を無視した削減や、対症療法的な地下封入などはエネルギーの浪費です。そもそも、二酸化炭素濃度増大が本当にマイナス現象なのかも分かっていません。むしろ現在の地球の生物圏は貧炭素状態とも考えられます。
二酸化炭素だけが:
温暖化の原因の15〜30%は黒色炭素(煤)?。氷河融解の主犯は煤。煤の排出は途上国のバイオマス燃料(薪炭)による調理や石炭火力発電、ディーゼルエンジンなどの都市の煤煙、焼畑農業、バイオマス燃料用作物の栽培や牧畜のための森林伐採焼却など。大気中に放出された煤は他の塵や水蒸気と結合、単独の場合より2倍の太陽エネルギーを吸収する。高温の雲を作り上昇、標高の高い地帯や極地に流れ込み局地的に暖める。

しかし化石燃料からの熱放出、人口集中・都市化による熱源の局所偏在化。森林や農地の砂漠化。自然の地表被覆物の破壊や人工被覆物への変容。大気・水循環に伴う物質循環の変化や汚染。このような人の活動に由来する現象の変化が気候変動に与える影響は甚大と考えられます。
これらの環境破壊を起こす活動に伴い、大量の二酸化炭素が排出されているわけですから、削減自体はエネルギー資源の節約であり、環境保全のためには必須であることに変わりありません。
大気中への蓄積量: 大気中のCO2は陸や海に年間 30%が吸収され 70%が残る。この70%の70%が次の年に残る。これの繰り返しは、
 0.7+(0.7)2+(0.7)3+・・・=0.7/(1-0.7)=2.33
となり、人為的排出量の2.33(当年分を加算しても3.33)年分以上が大気中に残ることはない。これは全体の増加量27年分の8.6%。1958年からの増加量55ppmの内の 5ppm程度が人為的増加分。残りの50ppmは自然増加量である。 槌田敦「反論・CO2濃度と気温の因果関係」より

日本での堆肥に必要な有機物資材は、二酸化炭素換算で総排出量の5.9%相当量です。その内の3.5%相当量は堆肥化の際に大気中に消え、実際に圃場に投入されるのは残り2.4%相当量。現物(水分60%の未処理の有機物資材)で24.0t(3.8tC)/haになります。これだけあれば微生物の餌として十分な量で、生あるいは短期高温醗酵処理の高炭素資材やキノコ廃菌床なら、畑で緑肥作物などを作る必要もありません。
なお、水田は炭素固定能力の高いイネ科の特徴として、稲ワラを持ち出さなければ何も入れる必要はありません。ただし、自然の循環を全く理解せず、稲ワラを未利用資源などと勘違いしない限りにおいてです。
 【非堆肥化によるCO2 ( )内はCO2総排出量に対する割合】
堆肥に必要な有機物資材の総量: 5135万t堆肥/0.4歩留まり=12838万t有機物資材(5.9%)
堆肥化時(現行)のCO2排出量: 12838万t - 5135万t=7703万t有機物資材=4519万tCO2(3.5%)
非堆肥化時の単位面積当たり施用量(2.4%): 5135万t/213.9万ha=24.0t/ha

一律に堆肥と呼ばれていても、高炭素(低窒素)のバーク堆肥(最低C/N比35以上)などなら土壌改良資材と言えます。しかし慣行農法や有機農法で奨励されている、一般的なC/N比30以下での堆肥化は環境破壊を助長していると言えます。
非堆肥化のサラダ(自然)農法に転換すれば、一度も土と関わらず無駄に大気中に消えた3.5%相当量は不要になります。これこそバイオ燃料に転用すべき資材。食糧作物のバイオ燃料化と違い、真の節約分です。実質は倍(7%)の二酸化炭素削減につながります。
    【試算のデータ】
  1. 耕地面積及び、ha当たり堆肥施用量の推定値
    •    面積(2004)  /ha    計
    • 水田: 257.5万ha  1.25t   322万t
    • 畑地: 213.9万ha  22.5t  4813万t
    • 合計: 471.4万ha  11.0t  5135万t
  2. 有機物資材の炭素量: 現物(水分60%)16%、(乾物 40%)
  3. 堆肥の炭素量: 現物(水分60%)16%、(乾物 40%)
  4. C/CO2換算率:12/44
  5. CO2総排出量: 12億8000万t(2004年)
  6. 堆肥施用量: 畑地の全面積に22.5t/ha(中間値)。
  7. 堆肥化によるC歩留まり: 平均40%。
  【堆肥施用量の推定】
農水省の地力増進基本指針の標準施用量(稲藁堆肥換算)は、普通畑 15〜30t/ha。水田 10〜15t/ha(実績は1/10 平成9年 農林水産省[農業経営統計調査報告])。畑では過剰施用がみられるが不施用、少量施用も考慮し、中間値で試算。水田では稲ワラを持ち出さない現状であれば妥当な量と言える。なお、非常に大雑把な試算のため堆肥化時のエネルギー損失や高温醗酵処理時のCO2発生は推定誤差内と考え相殺、無視。
 【堆肥成分の参考値】
畜糞堆肥(牛)= N源が主材 [第3回広島県堆肥共励会 2003]
バーク堆肥  = C源が主材 [NPO法人日本バーク堆肥協会 2006]
    畜糞堆肥 バーク堆肥 (損失率 [のこ屑およびチップ屑の堆肥化試験 高橋弘行・吉田兼之])
水分    61.1 %      62  %
C       15.7 %      17.5%    (50〜55%)非木質の場合は更に大。
N        0.72%       0.5%    (15〜20%)
緑肥を作れば更に省資源。当然のことながらN,P,Kなどの肥料製造に伴う排出分(工業的窒素固定 = 世界の全エネルギー消費の約2%)も削減されます。施肥による流出も無くなり、耕作自体が環境浄化・修復・保全。環境負荷に対するエネルギー損失(二酸化炭素放出)分も大幅に削減可能です。無堆肥(自然農法)に転換すれば削減量は、総排出量の10%?を超えるものと考えられます。
施肥による流出: 生物的窒素固定では流失は起きないが、施肥栽培では投入窒素の30〜40%が流失し環境汚染・破壊の一因となっている。

更に重要なことは、死んでいる炭素(CO2)を生(活)かすこと、即ち生物化。せっかく掘り出し放出した、大量の炭素の有効活用です。生物はタダのエネルギーを使い、タダで生物化(エネルギー化)してくれます。この際、大気中二酸化炭素の高濃度化や温暖化は有利に作用する筈です。
つまり人類は大量の有用資源と、滅多にない機会を得たとも言えるのです。ただ、それを活かしたらの話で、一つ間違えれば自滅しかねません。何時までも殺し合い(全ての殺し行為)をやっているようでは・・・。  
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17. 農法?(捜し物は何ですか)

 自然環境は多様です。自然状態のままでは作物にとって障害が多く、ある程度人が手を加えないと、人にとって都合の良い自然として効率的に稼働しません。そこで、農法(手助け)が必要となります。
ここで、見落としてはならないことがあります。どんなに手を加えても自然は自然。どのように働かせるかの問題。答えは「命を生きものとして、より活きよく表現する=自然(神)の意志」。この一点さえ忘れなければよいのです。

農家の数だけあると言われるほど多様な農法でも過去の農法は、有名無名に関わらず極少数の例外を除き、ほぼ全てが“おかげ農法”と言ってよいでしょう。
先ずは、肥料のおかげ、農薬のおかげの慣行施肥農法。更に肥料や農薬を天然資材などに置き換えただけの、微生物のおかげ、酵素のおかげ、ミネラルのおかげ、漢方薬のおかげ、○○物質のおかげ、果ては感謝のおかげ・・・、とおかげには際限がありません。
 極少数の例外:
中南米の超古代文明では、数千年以前から水草や雑草を利用した持続性のある農業が行われていた形跡ある。再現試験も行われ、現在の施肥栽培の生産性に劣らないことが証明されている。また、極少数(個人的)ながら昔から似たような栽培法が各地にみられる。炭素循環農法は決して新しいものではない。寧ろ非常に旧い農法の現代版(再現)と言える。

それから特定の製品名の付いた(微生物、酵素、ミネラル)農法などは、単なる「○○製品使用マニュアル」。同様に特定資材使用(各種肥料・補助資材、微生物、ミネラル、活性水など)に限定されるものも汎用性がなく、多少の工夫がみられても「○○資材使用マニュアル」です。何れも、独自の農法と言えるほどのものではありません。

唄の文句じゃないけれど「捜し物は何ですか 見つけ難い物ですか」。あれも、これもとマニュアルを抱え込み。あれでもない、これでもないと農法行脚。挙げ句の果ては農法難民?。大なり小なり全ての生産者が辿ってきた道。
本来のもの(本物)は“おかげ”ではありません。自然の持てる力を効率よく働かせれば当然、自然状態より高品質で生産性が上がり、人畜がより元気になる“当然農法”。これを今迄の感覚で判断しないことです。
 唄の文句:
  夢の中へ(井上陽水)-(一番省略)二番:
休むことも許されず 笑うことは止められて
這いつくばって 這いつくばって いったい何を 探しているのか
探すのを止めたとき 見つかることも よくある話で
踊りましょう 夢の中へ 行ってみたいと 思いませんか
Woo woo woo-- Woo woo woo-- Woo woo woo-- さあ
探し物は何ですか まだまだ探す気ですか
夢の中へ 夢の中へ 行ってみたいと 思いませんか (以下略)
(覚醒剤使用で捕まった時に捜査官を揶揄し作ったと言われる、いわく付きの唄ではあるが・・・)

自然農法と言えども、市販の製品を含め各種資材を否定するものではありません。基本を良く理解し、自然の力が効率よく働かない部分を補うために使うなら、それなりに有効です。ただ、そのような資材は多くはありません。
そして、生きものを生かす知識や技術が不十分な内は、正確な効果判定もできず、たとえ効果があったからといって喜ぶべきことではありません。「効果あり」は土ができていない証拠です。

寧ろプロ中のプロが、作物側(地)に基点を置いた補うためや防疫のためではなく、食べる側(天)に焦点を合わせミネラル補給などで、より内部品質の高い作物を作るのが本道(地動説)でしょう。尤も、現段階(2010年)では、そのレベルに達している自然農法実践者が居るとは思えません。慌てることはありません。それは、夢の中へ行ってから・・・^-^。
 ミネラル補給:
赤道を中心に、高温多雨地域(熱帯雨林など)ではミネラル分の溶脱が激しい土壌が多い。しかし、植物の生育はそれほど悪くない。だが、ミネラルの溶脱の少ない火成岩(玄武岩など)を母岩とする土壌での植物の生育は非常に良好である。また、海岸から遠い内陸部の土壌では塩(NaCl)不足のため、微生物の活動が抑制されていることが知られている。 温帯の日本も地形が急峻で降雨量が多くミネラルが乏しい傾向にある。最近行われるようになった、海水(1%ほどに希釈)の葉面散布効果は、塩とミネラル補給による微生物の活性化によるものと思われる。

ただ、微生物製剤(生きもの)に限っては転換初期以外は、どのようなもを使用しても無意味(効果がない)です。土壌改良が一定レベルに達すれば土壌微生物群が多様化し、必要な微生物が大量に住み着くからです。これも効果がある内はまだまだ。例外として土に使うのではなく、超高炭素資材の発酵(キノコ菌床化)になら使えます。

そして、良くある話。あっちの良いとこ、こっちの良いとこ合わせれば・・・。寿司にカレー&コーヒー漬けにして納豆でトッピングみたいなもので、悦に入っているオーガニック志向者や農業初心者をたまにみかけます。
やるのは勝手。しかし自然を理解せずに、農法云々やレッテル張り、独自の農法を・・・、などは100年早い。無知、故の言動とはいえ、農法と標榜する以上それなりの“責任”があります。自然(法則)を嘗めたような真似だけは慎むべきです。
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